5月23日。夜は、座学です。
野良仕事で実際に畑の仕事を体験してからの座学なので、理解が深まります。
1、キッチンガーデンの命の循環
(1)キッチンガーデンの命の循環とは?
1-根を抜かない収穫と草マルチ
根菜以外の野菜は、根を抜かない収穫を・・・根のところに微生物(ミミズなどの生き物)のえさになります。泥も少ないので、調理までの準備がしやすいです。野菜だけでなく、草も根は残します。草の根も野菜の根も微妙にからんでいるので、野菜の根を傷つけてしまいます。根の元にコロコロした土がついていますが、それが団粒構造の土、野菜をよく育てる土ですので、それは土に残しておきたいのです。(根穴構造)草は抜けば抜くほど強くなり、根を残して刈っていけばだんだん草の勢いは弱まるので、抜かないで刈るように心がける。
野菜の間引きのタイミングは、野菜同士がふれあってきたら、間引きをスタート。家庭栽培や自分のところで野菜を使う場合は、大きいものから間引いていくと、小さいのが、のちのち大きくなってきます。

写真は間引いたカブと小松菜。
2-ミミズコンポスト(4~10月)
畑に直接生ゴミを入れると、未熟な有機物に虫が集まってしまうため、一度ミミズコンポストで堆肥化してから畑に施すといい。ミミズのフンは万能なので、種を蒔くところに直接施しても大丈夫。
3-EMコンポスト(11~3月)
ミミズが寒くてお休みしている間はEMコンポストにする。
→春になったら、踏込み温床で再発酵もしくはミミズコンポスト。
※ミミズコンポストにしてもEMコンポストにしても、生ゴミ(有機物)を腐らない状態にするということ。
(2)春・夏野菜の栽培
1-春野菜(夏に枯れる野菜)
5月:除草・間引き(収穫)・ボカシ
6-7月:収穫・草マルチ
・
間引き>どんどん大きいものから間引いていく。野菜同士が競争しないように。
・
ボカシの使い方>草マルチの上にEMボカシをまき、また草マルチをかぶせていくと、いわゆるぬか床みたいな養分の高い層ができ、酵母菌が発生する、そこに微生物が集まったり土壌生物が集まります、それらのフンなどが野菜が育つエネルギーになります。有機肥料の場合は、養分が効くのに時間がかかるので半月〜1週間前にボカシをあげたり、草をしいたり早めに対応します。(ぬかは土の上に直接まいてはいけない、必ず刈ったすぐ後の草の上にまく)

収穫は抜かないで、鎌で刈り、根を残す。
・肥えてる畑ほど草が生える。6-7月は根本を五センチくらい残して、草がどんどん伸びるようにして、どんどん草マルチをしいていく。8月は草が伸びないので、6−7月は草刈り&マルチをしっかりしておく。→肥えた畑となっていく。
2-夏野菜(秋・冬に枯れる野菜)
5月:定植・誘引・除草
6-7月:誘引・草マルチ・収穫はじめ

・梅雨の時期は、草がどんどん伸びるので、根本五センチくらい残して、どんどん草マルチをしていく。草マルチをしいておくと、そこが秋野菜の種まきにちょうどいい土になっていく。
3-大器晩成の夏野菜栽培
・大器晩成の夏野菜栽培とは、どれだけ根を深く伸ばしたかにかかっている。
根っこをはわせるように草マルチをしっかりすること。根と比例して、土の上も育っている。上と下はだいたい1対1で育っている。
・茄子とピーマンとキュウリは、最初の実が親指大になったらすぐ採ってします。最初の実をとってしまうと、負担が軽くなるので、野菜が大きく育とうとする。その後に多くの実をつけることになるので最初の実は、親指大でとってしまう。
・注意!トマトだけは最初の実を絶対に採らないこと。最初の実をとってしまうと、トマト全体が暴れてしまう(蔓ぼけといって、蔓だけのびて実をつけない)最初の実は絶対に赤ーくなるまで採ってはいけない。
・茄子とピーマンとキュウリは、第二、第三と実をつける最初の内は小さいうちに実をとる(売っているもののひとまわり小さいくらい)。6月〜7月初旬は実をつける方に栄養を行かせるのではなく、根や野菜自体を大きくする方に栄養を行かせて、8月〜10月まで、長く実がとれる野菜にしておく。
(3)草マルチ

草マルチ用にまいた緑肥。これからの梅雨の季節、緑肥以外の草がどんどん生えてくる。それもマルチとして利用する。
1-草マルチの効果
・草を抑えることができる。保湿効果、保温効果、生き物・微生物を集め土を肥やす(腐食効果)、根が安定して育つ環境を作ってくれる。
2-草マルチの仕方
・6−7月は5センチ残して草を刈ってマルチとして敷くことを繰り返しておくと。5センチ残しておく次々とのびる。(次回の補講で丁寧に草マルチの仕方をお伝えします)
3-草マルチ+α
・草だけだと養分が足らない場合には、刈った草の上に米ぬかをまき、またその上に刈った草をかぶせてサンドした感じにする。8月9月に必要な養分を草マルチ上に作っておく。これが微生物のえさになる。 EMボカシを米ぬかのかわりにまけば、もっと分解が早い。※米ぬかは直接土の上にはまいてはいけない。新鮮な草の上では酵母が生きているので、ちゃんと発酵するが、ないと発酵できない。=分解されない。
2、春野菜の収穫時間
(1)葉もの野菜
1-サラダ系:レタス・水菜
→朝どりに限る。野菜は夜中のうちに水を体全体にまわす。光合成に水が必要なため、夜のうちに水を蓄え太陽が出たらすぐ光合成できるように準備している。
2-おひたし系:ほうれん草・小松菜
→カロテンなど葉緑素を食べたい野菜は、日が高い12時〜14時くらいに収穫すると、美味しい。でもこの時間にとると、しおれやすいので、すぐその日の夕食などに食べるのがベスト(出荷野菜には向かない)。畑で水で洗って新聞にくるんで、キッチンまで持っていくと痛みが少ない。
(2)根もの野菜
1-保存系:ジャガイモ・サツマイモ
→保存する用の芋ならば、雨の次の日に収穫したりすると水っぽくなり保存に適さない。晴れ間が三日続いた後に収穫すると腐りにくくなる。
・新ジャガは香りと水分だけがいい。採ったばかりのデンプンは甘くない。
2-フレッシュ系:ダイコン・ニンジン
→土が湿った状態の時や朝に収穫すると水分を含んだフレッシュな状態で収穫できる。しかしタクアン用などにしたい場合は、晴れ間が三日続いた後に収穫すると水っぽくなく腐りにくくなる。
根ものミニ知識>保存用の根もの野菜を収穫は、満月の時は水分が上部に行くので、適している。フレッシュな大根などを収穫したい場合は新月の時が向いている。例えば樹木などは、根もの野菜とは逆に、地上部に木を伸ばすので、新月の際に伐採すると無駄な水分がなくいい材になると言われている。
(3)実もの野菜
1-水もの系:茄子・キュウリ
→ほとんどが水分の野菜なので、朝露のあるような、朝に収穫するに限る。
2-コク系:トマト・カボチャ・スイカなど
→節水すると実が赤くなる。雨の前の日に収穫。もしくは午後に収穫する。
水っぽいことが美味しくない野菜の為。

↑この茄子の写真は去年の畑のものです。
3、質疑応答
「酵母カビって白いカビのことですよね?」→「白いカビ、農業用語でいうところのハンペンです」
落花生がやってみたいんだけどなどなど具体的な質問なども出ました。九時前に講座は終了!おつかれさまでした〜。

畑でのワンシーン。いよいよ夏野菜の苗の定植!とワクワクしているの図です。

竹内さん、春〜夏の畑の忙しい中、丁寧な補講ありがとうございました!
6月の補講は、6月27日(水)14時〜です。
『永続可能な自然菜園講座・春夏秋冬』講座に一度でも参加の方、もしくは参加予定の方は、どなたでもご参加いただけます。宿泊予約の際に、6月27日畑研修会(補講)参加希望とお伝えください。補講参加費2500円です。